2011年10月17日

命ある限り、努力しつづけよう


昨日、ラスベガスで行われたインディカーシリーズ最終戦で15台を巻き込む多重クラッシュが発生。結果、1人の若き英雄がこの世を去った。

彼の名はダン・ウェルドン。2003年にインディのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、2005年と2011年にはインディ500を優勝している名レーサーである。33歳という早すぎる死は、今後のカーレース界に大きな痛手だと言えよう。

細やかな神経の持ち主であることが災いして、なかなか移籍先が見つからず、今年のインディ500もスポット参戦だった。それでも結果を残す素晴らしさ。今後の活躍が楽しみだった。本当に残念である。ご冥福をお祈りする。

時速300キロ近い猛スピードで疾走するカーレース。これまでにも夥しい数のクラッシュが起きている。記憶に新しいところで言えば1994年のF1サンマリノグランプリ。

予選2日目にラッツェンバーガーがビルヌーブコーナーのウォールに激突して即死した。奇しくも12年前のベルギーグランプリでコース脇のフェンスに叩きつけられて亡くなったジル・ビルヌーブの功績を称えて名づけられたコーナーだった。さらに決勝では7周目にアイルトン・セナがタンブレロをコースアウトし、サスペンションの破片の一部が頭部を貫通して命を落としている。

死と隣り合わせの危険なスポーツ。それでもギリギリまで攻めるドライバーのアグレッシブさに多くのファンは魅了されるのだろう。

中でも私が一番衝撃を受けたのは「クラッシュ」という一冊の本である。8年前に「炎の中の真実−あるレーサーと家族の5年間− 」という番組を見て著者を知り、すぐに本屋へ直行した。その2年後の2005年4月29日にもフジテレビの金曜エンタテイメントで『人体再生ロマンスペシャル もう一度抱きしめたい!! 〜最先端医療が救う命と愛の物語〜』と題して特集が組まれていた。

1998年5月に大雨の中で行なわれた富士スピードウェイ全日GT選手権第2戦で多重クラッシュが起こる。それに巻き込まれたレーサーの太田哲也氏(著者)は全身の40%に大火傷を負い生死の狭間をさまよい続ける。

彼の夢の中に出てきた死神は「生きていることは辛いことだよ。早くコッチの世界に来て楽になりなよ」と手招きする。その誘惑を振り切り見事に生還し辛いリハビリを乗り越え、1年後に事故に遭った富士スピードウェイをドライブする。そして空を見上げて「ざまぁ見ろ、どんなもんだい!」と言い放つ。

彼にとってレースは仕事ではなく、人生そのもの。お金を稼ぐためでもなければ暇つぶしでもない。まさに生きるための証であり、自分にしかできないことなのだ。

そんな天職に出会える人は恵まれている、というかもしれない。が、それは違う。彼は必死に努力して、それを見つけたのだ。その努力を怠っている人が、人を妬んだり羨んだりするのだ。

中には努力したくてもできない劣悪な環境に置かれている人もいる。だから、皆に「がんばれ」とは言えない。が、努力できる恵まれた環境にいるにもかかわらず、何もせずに指を咥えて見ているのはおかしい。

どんなに生きたいと願っても生きられない人もいる。まだ、やりたいことが山ほどあるのに余命が限られた人もいる。人間は、いつか必ず死ぬ。その限りある命だからこそ、生きている時間を大切にする必要があるのではないだろうか。
posted by CTA at 23:15| 日記